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ピーあさがおB

10代目 ピーあさがおB

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2003. 4.24

種たちに生を与える… 今年も種蒔き

朝顔の種。 2003年のピーあさがおBは、13粒の種の中から誕生する。昨年2002年の秋に、先代である9代目ピーあさがおBが実らせた種を半年間保管しておいたのだ。

さて、記念すべき10代目となる今年のピーあさがおBも、種を1日間水に浸しておき、充分に種を膨張させてからの種植えとなった。
朝顔の種の選抜  さて、世の中はそう甘くない。「ピーアサ志願者」である彼ら13粒全員がすんなりとこの世に生を受けられるはずがない。大学入試でも一生懸命勉強し、努力をしたものだけが合格への狭き門をくぐれるのと同様に、ピーあさがおBの種たちも合格・不合格の「選抜」を受けねばならない。

 左写真の×印の部分に集められた種たちは、残念ながらこの世に生まれることなく「処分」の運命である。要するに、13粒の種のうち出来のよい9粒だけを植えることにしたわけである。
目印の白い円は針金で作りました。  そして、いよいよ9粒の種をプランターに均等に配置して植え込んだ。

去年のピーあさがおBは種数が10粒だったが、やはり1つのプランターに10粒も植えると窮屈になりがちなので、今年は5〜6粒までに減らしてもよかったはずだが、結局去年とほぼ同数の9粒も植えてしまった。まぁ、それだけ花も多く咲くのだし、多いのもまた良い事だろう。あとは、発芽を待つのみである。しかし、種蒔きから10日が経過した5/4現在、まだ1つも発芽していないのが気にかかる。10年間子孫を残し続けただけに、絶滅への不安があるのだが、まぁ大丈夫だろう。あと数日もすれば、きっと一斉に発芽してくることだろう。
1st update: 03/05/04



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2003. 5. 6

緊急事態発生!!

発芽しない!
全部、種が腐っている!!

9粒全てが全滅!



10代目は誕生しなかった…。
その気持ちはさながら、目に釣り針が刺さったタマちゃんのよう。

「ピーあさがおB」、絶滅!!
10年間の歴史に、幕…。


2nd update: 03/05/09


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2003. 6.10

ピーあさがおB、終焉。


2003年6月。
本当なら、今頃は…。

ベランダの柵には朝顔のツルが巻き付き、
10代目のピーあさがおBも間もなくピンク色の花を咲かせ始める頃…。
それが、今年は…。

朝顔のプランターには、何もない。


 1992年に誕生した「ピーあさがお」。そのB組の子孫達は、10年間の長岐にわたって代々命を繋いできた。そして、9代目のピーあさがおBとなる2002年も、10年前と変わらず咲き誇った。しかし、10代目は全滅だったのだ。一体何が原因なのか、蒔いた9粒の種、全てが発芽しなかったのだ!
 プランターの中に種を蝕む害虫が潜んでいたのだろうか。それとも、種を蒔く前日に浸しておいた豆腐の空き箱の容器に、豆腐の成分か何かで種を腐らす要因があったのか、未だに絶滅の原因は謎である…。

 もう、予備の種は残っていない。毎年あった”こぼれ種”からの発芽も、なぜか今年は全くない。よって、ピーあさがおの”種”は、完全に絶えてしまった。

 この悲しみを乗り越える事は、当分難しそうである…。

3rd update: 03/06/10


















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2004. 4.24

2004年4月、発芽!


2003年春、発芽に失敗して「絶滅」を宣言したピーあさがおB。
もう植え込んだ全ての種は腐ってしまい、土に還って姿を消してしまったと思っていた。

…しかし!

 あれから1年が経ち、再び春が訪れた。この1年間、発芽に失敗した朝顔を植えていたプランターは、ショックだったこともあり片付けずに放置していた。それが、こんな幸運を招くとは…!

早めに言っておこう。

 2004年4月24日の正午過ぎ、私はなんとなく、ベランダのプランターを見てみた。
すると、なんと、朝顔の芽が!!
 芽が出ているではないか!!
 私は我が目を疑った。これは幻なのではないか、私は夢を見ているのではないか、と。

 しかし、目をいくら擦ってみても、これは現実の世界に間違いなかった。
よって吉報!!

 ピーあさがおBは復活しましたよ〜!!!

 10代目の種は、1年間「冬眠」をしていただけだったのだろう。2003年は発芽しなかったが、1年後の2004年春になって発芽したということは、チューリップの球根と同じメカニズムで、1年間種が養分を蓄えていたからなのかもしれない。

それにしても、果たしてこれは間違いなく10代目の「ピーあさがおB」の種からの発芽なのか、証拠は得られていない。遺伝子検査をして、2002年のピーあさがおBの花からできた種であることを立証したいのだが、それは無理である。

しかし、この芽が10代目のピーあさがおBである可能性は極めて大きい。なぜなら、等間隔で芽が出てきているからだ。種を植えた2003年4月、間違いなく私は、等間隔で種を土に埋めていたのだ。しかも、発芽位置も、当時私が種を埋めた位置に間違いない。

 種の腐敗を確認するため、埋めた9粒の種のうちのおよそ半数は、掘り起こしてふやけた種を手で潰してしまったことを憶えている。つまり、残りの半数の掘り起こさなかった種のみが、1年後の今年、無事に発芽してきたということなのだろう。

 それにしても、朝顔の生命力の強さを感じずにはいられなかった。よく1年半もの間、種は腐らずに生き残ったものだ。

 本当に、今回の発芽劇は、まさに奇跡である。

さあ、遅咲きのヒーローたちよ、2004年の夏にグレスポ色の花を咲かせよ



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